こんばんは、中秋の名月。池田です。
最近料理にはまっている私は、ふと団子を自ら拵えてみようと思い立った。
何とタイミング的にも、中秋の名月ではないか。
思い立った私はすぐ買い物に出かけて、白玉粉をこねる。
掌の中で転がすたびに、夜空に浮かんでいるものに近付いてくる。
茹でたものは、やがてゆらゆらと空に浮かんできた。
ほほえましい目線で我が子を見る。
たらふく食べたい私は小さい月をたくさん作った。
皿に並べてみると、妙に愛おしい。
宵の口から私はべらんだに出て空を仰ぐ。
輝く団子は、静かに私たちを照らしていた。
あれは団子ではなく、月であった。
思わず食べてしまいそうであった。
あの月の向こうでは、兎が臼をついているのだろうか。
子どものころの夢が、ふと甦る。
一夜の静けさに包まれて、街とともに私は眠りについた。
月明かりに照らされながら_____